薄クリーム色の市松の地に、疋田の粒で縁取った蝶が舞う訪問着。金彩の花と黒い花柄の袋帯を合わせ、冬の装いに明るさと華やかさを添えます。帯裏に忍ばせた薔薇まで、文様の取り合わせを楽しむコーディネートです。
金色に輝く蝶を、冬の装いに
淡い薄クリーム色に浮かぶ、大きな蝶のつらなり。羽の輪郭を細かな疋田の粒で描くことで、柄の中に余白が生まれ、軽やかな動きが感じられます。
冬の取り合わせでは、この蝶に金彩の輝きを重ねます。厳しい季節にもひらひらと舞う姿を思い描き、やわらかな地色の中にあたたかな光を見立てる。薄クリーム色と金の明るさを、黒い帯で引き締めるのが、この装いの見どころです。
同じ衣装でも、季節によって文様の見方は変わります。花と蝶の軽やかさを楽しむ取り合わせは、薄クリーム色の蝶の春コーデでも紹介しています。
疋田で縁取る蝶と、市松の地模様

蝶の輪郭をつくるのは、疋田模様の細かな粒。「匹田」と書かれることもあり、鹿の子の背の斑点を思わせる意匠に関わります。鹿の子文とあわせて見ると、粒の形や並び方の違いにも目を向けられます。
地には、四角い区切りを交互に配した市松の織り模様が入っています。同じ淡い色の中に幾何学的なリズムをつくり、蝶の曲線や金彩の花を引き立てる地模様です。
市松の名は、江戸時代の歌舞伎役者・佐野川市松がこの模様の袴を用いたことから広まったといわれます。途切れず続く柄に、繁栄や永続の願いを重ねる文様でもあります。形や由来は、石畳・市松文の記事で詳しく紹介しています。
蝶には、長寿を願う吉祥の意味があります。中国では、蝶の名の音が八十歳を意味する「耋」に通じることから、長く健やかに生きる願いが託されてきました。冬の装いで蝶を楽しむときも、その軽やかな姿とともに、長寿の縁起を味わえます。
黒い花柄の袋帯と、帯裏の薔薇
合わせたのは、染色作家草野一騎の袋帯。黒い箔の地に大胆な花を表した帯が、淡い訪問着に華やかな芯をつくります。着物の花と帯の花を響かせながら、黒と金の取り合わせを楽しみます。

裏地にも、草野一騎の薔薇の地模様が織り出されています。表の大胆な花とは異なる、光の角度で静かに浮かぶ薔薇。表と裏の意匠を確かめると、帯の細部まで花を選ぶ楽しみが見えてきます。
帯裏の薔薇の歴史や工芸での表現は、薔薇文の記事でも紹介しています。
色と文様、装いの格
| 着物の色・文様 | 薄クリーム・金・淡い紅色/市松の地模様、疋田で縁取った蝶、花 |
|---|---|
| 帯の色・文様 | 黒・金・紅色など/花、帯裏の薔薇 |
| 着物の格 | 訪問着・袷 |
| 帯の格 | 袋帯 |
| 文様の御利益 | 長寿(蝶)、繁栄・永続(市松) |
全体に柄があるため小紋のようにも見えますが、蝶の柄は縫い目を越えてつながる絵羽模様です。左襟、胸元、上前に金彩の花を配し、胸元と上前の花には刺繍も添えられた訪問着です。
袋帯を合わせることで、改まったお出かけにも向く取り合わせになります。着用する場に合わせ、帯の意匠や小物を含めて装いの格を整えてください。
御利益アイテム
蝶の願いを、冬の装いにも。
長く健やかに過ごす願いを託す蝶。着物で楽しんだ蝶の意匠を、日々の小物にも。胸元に添えるネックレスと、まとめ髪を飾るバレッタを選びました。
蝶と薔薇を胸元に添えるネックレス
ANNA SUIの蝶・薔薇モチーフの2点セットネックレスは、ベージュの蝶と薔薇をそれぞれに楽しめる一品。蝶の長寿の意味を心に留めながら、冬のニットや無地のトップスに、透け感とガラスの輝きを添えられます。蝶と帯裏の薔薇という、このコーデの取り合わせを洋服の日にも楽しんでみませんか。
蝶の透け感、2本それぞれの長さや重ね方を商品ページで。
蝶の軽やかさを髪に添えるバレッタ
ANNA SUIの蝶・小花モチーフのバレッタは、白と淡い紫の蝶に小花を添えた髪飾り。冬の落ち着いた色の洋服にも、着物の日のまとめ髪にも、控えめな明るさを加えられます。蝶に込める長寿の願いを、後ろ姿の小さな意匠として楽しめます。
蝶と小花の配置、約18×68mmの大きさや留め具を商品ページで。
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