長くしなやかな尾をひるがえし、華やかな羽を広げる鳳凰。慶びを告げる想像上の鳥は、桐や竹とともに、染織や工芸の世界を彩ってきました。「桐に鳳凰」から「鳳凰の丸」まで、瑞鳥に託された意味と、多彩な意匠を見てみましょう。
| 文様の御利益 | 神仏加護・夫婦円満 |
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鳳凰文とは―慶びを告げる想像上の瑞鳥
鳳凰文(ほうおうもん)は、中国の伝説に登場する瑞鳥・鳳凰を図案化した文様です。鶏を思わせる冠や、五色の羽、孔雀のように長い尾をもち、翼や尾の流れを生かした優美な姿で描かれます。
鳳凰は、麒麟・龍・亀とともに四瑞(しずい)、または四霊に数えられる存在です。徳の高い君主が現れ、世の中が穏やかに治まると姿を見せると考えられ、天下泰平や慶びの訪れを象徴する鳥として親しまれてきました。
雄を「鳳」、雌を「凰」と呼ぶという伝えもあります。雌雄が寄り添って飛び、声を合わせる姿には調和の意味が重ねられ、夫婦円満への願いにもつながっています。
飛鳥の工芸から、染織に広がった鳳凰
中国では古くから、鳳凰の意匠が青銅器などに表されてきました。日本でも、飛鳥時代には工芸品の文様として用いられています。法隆寺の玉虫厨子(たまむしのずし)には仙人を乗せた鳳凰が描かれ、正倉院の宝物にも鳳凰の姿が見られます。
古い意匠には、細長い首や顎をもち、脚を広げて駆けるような姿もあります。やがて、飛ぶ姿を図案化した飛鳳(ひほう)や、尾を唐草のように伸ばした形、桐や桜と取り合わせた形などへ展開しました。瑞鳥という意味を保ちながら、姿や組み合わせを変えてきたところに、鳳凰文の豊かさがあります。
桐に鳳凰―瑞鳥のすみかを描く
鳳凰は桐の木にすみ、竹の実を食べると伝えられます。甘い水の泉である醴泉(れいせん)の水を飲むともいわれ、その気高い性質が物語られてきました。この伝えから生まれた取り合わせが、桐竹鳳凰文です。
冒頭の「桐に鳳凰」は、緑の羽と朱色の羽軸を大きく広げ、桐の葉や花を添えた意匠です。細かな羽の線が幾重にも重なる部分と、葉のゆったりした面が響き合い、鳥のしなやかな動きと植物の伸びやかさを一つの文様にまとめています。
唐織に映える、鳳凰と桐の葉

こちらは、石川県立美術館の緑地桐鳳凰文唐織の文様を描いた意匠図です。深緑の地に、朱色の鳳凰と、黄・浅葱・橙色などの桐の葉を配しています。大きな葉の間から、羽を広げた鳥が現れる構成です。
羽の細かな重なりと、曲がりながら伸びる長い尾が、画面に華やかなリズムをつくります。同じ桐と鳳凰でも、地色や配色によって印象が変わることがわかります。鳳凰文は、衣装だけでなく、鏡や漆器、陶磁器などにも用いられてきました。
鳳凰の丸―羽ばたく姿を丸い形に

鳳凰の丸は、鳳凰の姿を丸いまとまりの中に収めた文様です。この図では、一羽の鳳凰の翼を左右へ大きく広げ、周囲を曲線で囲んでいます。緑の濃淡を抑えた表現により、輪郭と羽の形そのものを味わえる意匠になっています。
鳳凰文には、このように一羽を表したものも、二羽を向かい合わせたものもあります。鳥の数、羽や尾の向き、周囲の植物を見比べると、同じ瑞鳥を題材にした文様の違いを楽しめます。
御利益アイテム
瑞鳥の羽ばたきに、穏やかな日々への願いを。
願いを込めた文様を、あなたの毎日に。
羽を広げた鳳凰を胸元に添えたり、向かい合う二羽を織り込んだ小物を持ったり。慶びと調和を象徴する瑞鳥の意匠を、身近なところに取り入れてみませんか。
銀の透かしで楽しむ、鳳凰のネックレス
廣友の鳳凰ネックレスは、羽と尾の流れを立体的に表したシルバー925の鳳凰に、黒い紐を合わせたものです。鳳凰部分は直径約2.5cm。丸い輪郭の中に広がる羽が、小さな胸元の飾りに、瑞鳥の華やかさを添えます。無地のブラウスやニットなどに合わせ、和の意匠を日々の装いで楽しめます。
広げた翼と流れる尾を、銀の透かしに。鳳凰の細かな表情や、黒い紐と合わせた雰囲気を商品ページで。
向かい合う鳳凰を織り込んだ、正絹の念珠入れ
むす美の龍村織「京錦」念珠入れから、「桐に向鳳凰丸文」を選びました。向かい合う鳳凰と桐の花を織り込んだ、絹100%・日本製の品です。約9.5×16cmで、房カバーと桐箱付き。二羽の瑞鳥がつくる円い文様を、念珠を包む小物として持てます。掲載写真には別の柄も写っているため、商品ページで「桐に向鳳凰丸文」を選んでください。
向かい合う鳳凰と桐の花を、織物の小さな面に。赤地の「桐に向鳳凰丸文」の柄と、房カバー付きのつくりを商品ページで。
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